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BIG-IP: 株式会社BSNアイネット・北陸コンピュータ・サービス株式会社

災害時の事業継続を支えるため電力エリアをまたいで事業者同士が協力

BIG-IP Global Traffic ManagerとVMwareを使いクラウド基盤を構築

新潟に本社を持つ株式会社BSNアイネットと、富山に本社を持つ北陸コンピュータ・サービス株式会社が、それぞれのDC内に設置されたクラウド基盤を相互に接続、利用することで、一方のDCが大規模災害などで継続利用できない状況に陥った場合にも短時間でサービスを復旧、システムを継続利用できるDRサービスの提供を始めた。

サイト同士を結び、平常時も災害時も同じURLで正常なサイトへアクセスさせるために採用されたのは、F5ネットワークスの仮想アプライアンス製品BIG-IP Local Traffic Manager VEとBIG-IP Global Traffic Manager VEだ。また、大量データの同期を高速化するため、BIG-IP WAN Optimization Manager VEも合わせて導入されている。

 

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「人手をかけずにサイトを切り替え、普段と同じようにアクセスできなければ、いざというときに活用できません」

株式会社BSNアイネット
取締役 事業推進部長
南雲 俊介 氏

 

ビジネス上の課題

 

地域に根差したIDCとして、地元企業のIT化を支えてきたBSNアイネット(以下、BSN)。昨今増加する要望に応えるため2009年から「アイネットイメージバンク」としてクラウド基盤の整備も進めているが、その方針は大手クラウド業者とは一線を画すと株式会社BSNアイネット取締役の南雲俊介氏は語る。

「安全性を高めながら投資コストを下げるのはもちろんですが、クラウド基盤とともに活用を支援するトータルサービスの提供に努めています」 地域のニーズに立脚したサービスをクラウド上でも展開する地域密着の姿勢を取る一方で、広域連携にも視野は広がる。富山県にある北陸コンピュータ・サービス(以下、HCS)と連携し、災害時のビジネス継続のための基盤づくりに乗り出したのだ。北陸コンピュータ・サービス株式会社取締役の五嶋 孝一氏はその取り組みについて次のように語った。

「HCSも地域のIT振興を担っており、特に物流企業のバックオフィスを多く担っております。物流は災害からの復旧にも重要ですが、バックオフィスがなければ有効に機能しません。ユーザ企業様の社会貢献を止めてしまうことがないよう、災害時にもビジネスを継続できる基盤が必要だという思いが、BSNさんと一致しました」

 

ソリューション

 

BSNとHCSのDCは直線で約200キロ離れている上に、電力供給元も異なるため電力問題も波及しづらい。普段は安心できる近さにDCがあり、いざというときには離れた場所のDCをバックアップとして使えるという好条件の上でBSNとHCSが目指したのは、データをバックアップするだけのDRサイトではなく、災害時にも業務アプリやコミュニケーション基盤を利用でき、事業を継続できるクラウド基盤だ。そこで求められた要件について、BSNアイネットのシステム技術部 坂田 源彦氏は次のように語った。

「バックアップシステムに切り替わったからといって、特別な操作や設定が必要ではいざというときに使えません。

普段と同じURLで、普段と同じシステムを使える環境が必要だと考えました」 そこで選ばれたのが、F5 ネットワークスのBIG-IP Local Traffic Manager VE(以下、BIG-IPLTM)とBIG-IP Global Traffic Manager VE(以下、BIG-IP GTM)だ。離れたサイト間のロードバランシングが可能なBIG-IP GTMを使い、普段はそれぞれのメインサイトへとトラフィックを誘導する。災害時には正常なサイトにアクセスするよう、自動的にDNSを修正することで、普段と同じURLのままバックアップサイトへアクセスできるようにする。これらを自動的に処理するDNS 製品は他にもあるが、サイト内のトラフィック管理と同一ベンダで統合管理できる点などから、BIG-IP GTMが選ばれたと坂田氏は言う。

「仮想サーバの切り替えを自動化するためにVMware Site Recovery Managerを、データのレプリケーションにはNetAppの機能を使うつもりでいたので、VMware やNetAppとの連携実績も重視しました。VMware、NetAppとBIG-IPの組み合わせでDRを構築した実績や導入のガイダンスがあり、これなら安心して導入できると決定しました。仮想アプライアンス製品であり、クラウド基盤との親和性が高いのも魅力です」

 

メリット

 

2012年1月から詳細設計、構築に取りかかり、2012年3月にはサービスを開始。利用意向を持つ顧客から順次、新クラウド基盤へと移行を始めている。NetAppのSnapMirror機能を使って双方のストレージを同期させ、災害などにより一方のサイトがダウンした場合には、VMware SiteRecovery Managerにあらかじめ設定しておいた復旧プログラムを実行、バックアップ側サイトを立ち上げる仕組みだ。

サイトダウン検知から30分で復旧

災害などにより一方のサイトがダウンすると、BIG-IP GTMがBIG-IP LTMと連動してそれを検知し、自動的にDNSを切り替える。並行して、担当者が状況を確認した後に復旧手順をスタートさせる。災害時に十分な数のスタッフがDCにたどりつけないことも想定し、実際の復旧手順は可能な限り省力化されている。実際のテストでは、30 分以内にバックアップ側のサイトが起動し、通常通りのURLでシステムを継続利用できることが確認されている。

WAN高速化を活かした短期間同期を目指す

「現在は、ストレージが持つ重複排除機能のタイミングに合わせて同期しています。同期間隔が短いに越したことはありませんが、同期間隔を短くすればネットワーク負荷は増えていきます。そうなったとき、BIG-IP WAN Optimization Manager(以下、BIG-IP WOM)が活きてくると期待しています」

BIG-IP WOMへの期待を、北陸コンピュータ・サービスマネージャーの古島 正氏はそう語った。

BIG-IP WOMはデータの重複排除や圧縮、TCP/IP の最適化によりWANの利用効率を向上させるため、大量データの頻繁なレプリケーションの負担を軽減することが見込まれている。

マルチDCも視野に入れた連携展開へ

BSNとHCSの連携により構築されたクラウド基盤は、同じ理念を抱く遠方のIDCへとさらに連携を広げ、マルチDCによるDR基盤へと発展する可能性があると南雲氏、五嶋氏は口を揃える。

「地方IDCとして、ビジネスニーズに立脚したサービス展開をしていかなければなりません。そのためには、顧客サポートなど地場のメリットを提供しつつ、事業継続を支えていく基盤が必要だと考えています。BIG-IPとNetApp、VMwareを使った今回の取り組みは、そのための大きな一歩になったと感じています」

BSN、HCSが目指す地域IT振興への道はまだまだ続いていく。今回のクラウド基盤構築はその道程における新たな道しるべとなることだろう。

 

 

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