このOWASPプロジェクトは、Webアプリケーションを標的とする自動化された脅威の識別と、それらのリスクを軽減するためのセキュリティ管理方法とベスト プラクティスの提案に重点を置いたものです。
OWASP(Open Worldwide Application Security Project)Automated Threats to Web Applicationsプロジェクトの目標は、Webアプリケーションが一般に直面するさまざまな自動化された脅威について、包括的で標準化された認識を提供することにあります。これらの自動攻撃では、モバイル アプリケーションとAPIが標的にされることがますます増えています。このプロジェクトでは、Webアプリケーションに対する実世界の自動攻撃の研究と分析をまとめ、これらの脅威の防御に役立つドキュメントを作成しています。
自動化された脅威とは、人間がWebアプリケーションを手動で操作するのではなく、ボット、スクリプト、またはハッカーが使うツールキットによって実行される攻撃のことです。これらの脅威は、WebアプリケーションやAPIに内在する脆弱性を悪用し、セキュリティ侵害、データ盗難、アカウント乗っ取り、不正行為、その他の有害な結果につながる可能性があります。
アプリケーションにショッピング カードがあることは脆弱性ではありませんが、ショッピング カートに商品を円滑に追加するためのビジネス ロジックが自動化の標的となって操作されて、在庫の買い占めにつながる可能性もあります。
このプロジェクトでは、Webアプリケーションを標的とするさまざまな自動化された脅威の一覧、つまり分類法が作成されました。これらの脅威を識別して分類することで、開発者、セキュリティ専門家、組織は、直面しているリスクとシステムに対する潜在的な影響について理解を深めることができます。また、自動化された脅威ごとに、リスクの軽減に効果的な対策とベスト プラクティスも推奨されています。OWASPは、これらの脅威に対する意識を高めることで、プロアクティブなセキュリティ対策を促進し、Webアプリケーションのセキュリティ体制全体を向上させることを目指しています。
自動化された脅威の大半でボットが利用されているため、ボットの管理と緩和を区別することが役立ちます。ボット管理とは、Webアプリケーションを操作するボットに対処するために使用される戦略と手法を指します。ボット管理の目標は、ボットをブロックまたは緩和するだけでなく、正当なボットのトラフィック(検索エンジン クローラーなど)と悪質なボットを区別することにあります。一方、ボット緩和は、特にWebアプリケーションに対する悪質なボットの影響を低減または排除するプロセスに重点を置いています。これには、アカウント乗っ取り(ATO)や不正行為につながる可能性のある、ボットによる有害なアクションや攻撃を成功させないための防御策の実装が含まれます。
OWASP Automated Threats to Web Applicationプロジェクトが特定してまとめた、自動化された脅威のリストを以下に示します。
F5は、OWASP Foundationと、ソフトウェア セキュリティの改善とWebアプリケーションのセキュリティ リスクと脆弱性についての意識向上に向けた、重層的な取り組みをサポートしています。実際、WebアプリケーションとAPIの両方に共通するセキュリティ リスクがあり、セキュリティ ソリューションを実装する際には、以下のような点を考慮する必要があります。
F5は、OWASPのAutomated Threats to Web Applicationsプロジェクトで概説されているリスクに対処するソリューションを提供しています。F5 Distributed Cloud Bot Defenseは、ユーザーの満足度を低下させることもカスタマ エクスペリエンスを損うこともなく、既存のボット管理ソリューションを回避できる不正行為や悪用を防止し、リアルタイムの監視とインテリジェンス、MLベースのレトロスペクティブ分析を提供して、自動攻撃から組織を守ります。Distributed Cloud Bot Defenseは、攻撃者がどのように手段を変えても、攻撃対象がWebアプリケーションからAPIに変わっても、あるいはテレメトリのなりすましやヒューマンCAPTCHAソルバーを使用して自動化対策を回避しようとしても、その有効性を失いません。F5のボット管理ソリューションは、アプリケーション プロキシ、プラットフォーム、コンテンツ デリバリ ネットワーク(CDN)からの柔軟な挿入ポイントを提供します。
F5 Web Application Firewallソリューションも、最も重要なWebアプリケーション セキュリティ リスクのリストとして広く知られているOWASP Top 10で特定された、広範なリスクを阻止し、緩和します。F5 WAFソリューションは、F5 Labsの脅威インテリジェンスやMLベースのセキュリティなどのシグネチャと動作保護を組み合わせて、新たな脅威に対処します。これにより、クラウド、オンプレミス、エッジの各環境でアプリケーションを一貫して保護する負担や複雑さが軽減され、一元的なSaaSインフラストラクチャにより管理が簡素化されます。また、F5 WAFは、分散したアプリケーション全体のパフォーマンスとセキュリティ イベントを全方位的に確認できる単一のダッシュボードを持ち、コア セキュリティ機能、一元的なオーケストレーション、監視機能を備えた開発フレームワークとCI/CDパイプラインに保護手段を統合することで、アプリケーション セキュリティを合理化します。特殊なボット対策と統合されたWAFは、脆弱性の悪用と自動化された脅威を含む上位のセキュリティ リスクを軽減することができる、堅牢なソリューションを提供します。
F5は、アプリケーションの進化と、API導入の増加に伴い増大している攻撃対象を保護し、新たな脅威を防御するソリューションを使用して、OWASP API Security Top 10で特定されたリスクに対処します。F5 Web Application & API Protection(WAAP)ソリューションは、WAF、APIセキュリティ、L3~L7 DDoS緩和策、自動化された脅威やその結果の不正行為を防御するボット対策を含む包括的な保護対策により、最新のアプリケーションの攻撃対象全体を守ります。分散型プラットフォームにより、アプリケーションとAPIがホストされている場所に関係なく、これらの資産全体にわたって一貫したポリシーを導入してセキュリティを拡張することが容易になり、APIライフサイクルとより広範なセキュリティ エコシステムに保護対策を統合することができます。
F5はまた、高度なオンライン セキュリティのための多層的なDDoS対策も提供しています。これは、ネットワーク、プロトコル、アプリケーションを標的とした大規模攻撃をリアルタイムで検知して軽減する、クラウド提供型のマネージド サービスで、オンプレミスのハードウェア、ソフトウェア、ハイブリッド ソリューションでも同じ保護機能が提供されます。F5 Distributed Cloud DDoS Mitigationは、レイヤ3とレイヤ4のアプリケーション固有のボリューム型攻撃や高度なレイヤ7攻撃を、ネットワーク インフラストラクチャやアプリケーションに到達する前に防御します。