ブログ | Office of the CTO

マルチクラウド ネットワーキング:課題とオポチュニティ

F5 サムネール
F5
Published March 21, 2023
  • Share via AddThis

世界各国の多様な業界のIT意思決定者1,000人以上を対象に調査を実施した2023年版アプリケーション戦略状況レポートでは、2つの洞察が際立っています。1つ目は、ハイブリッドおよびマルチクラウド アーキテクチャが、その管理と保護のコストや複雑さにもかかわらず、定着していることです。2つ目は、組織がハイブリッドおよびマルチクラウド環境の課題にうまく対応し、これらを軽減する有望な戦略として、マルチクラウド ネットワーキングが台頭していることです。

さらにこの調査結果は、クラウドネイティブ アプリケーションの開発では、複雑さが解決されていないことを示しています。クラウドネイティブ アプローチは人気があり、現在、73%以上の企業がマイクロサービス アーキテクチャに基づくクラウドネイティブ アプリケーションを開発していますが、クラウドネイティブ化が理想的な解決策であることはまれです。

組織の多くは、規制上の制約や、1社のベンダーに縛られたくないといった理由で、1社のクラウド プロバイダに委ねることができず、複雑さに直面しています。回答者の多くは、複数のクラウドにワークロードを展開し、42%が4社以上のクラウド プロバイダを利用しています。また、オンプレミスのデータ センタに配置しなければならないテクノロジにビジネスが依存しているため、完全なクラウドネイティブには移行できず、ハイブリッド クラウド アプローチを維持している組織もあります。クラウドネイティブ アプローチが予想外の問題を引き起こす可能性があると考えている組織もあります。調査対象の企業の実に43%が、クラウドネイティブの導入を最近軌道修正した、またはまもなく軌道修正する予定だと回答しており、これらの企業はすでにクラウドに移行した主要なアプリケーションをオンプレミス環境に戻すことになります。

ハイブリッドのマルチクラウド環境がもたらす、避けられない影響

ハイブリッドおよびマルチクラウド アプリケーション アーキテクチャは複雑で、それはどうすることもできませんが、それは今日のほとんどの組織にとって必然的なことでもあります。ビジネスの一部はオンプレミスのデータ センタを必要とする一方で、多くの顧客向けサービスには、クラウドがもたらす速度、柔軟性、効率性が必要です。また、組織は、ビジネスの進展に伴い、エッジで利用可能な、強化されたパフォーマンスとエンゲージメントのメリットを活用できるように準備しておきたいとも考えています。従来のアプリケーションはコア ビジネス機能の維持に役立つ一方、最新のアプリケーションを使用すると、新しい機能やタッチポイントの開発や導入が簡単です。その結果、ハイブリッド環境と複数のクラウドに広く分散するアプリケーションとAPIの数は増え続けています。

現在、組織の85%が、複数のアプリケーション アーキテクチャとロケーションにわたり新旧のアプリケーションをどちらも運用していますが、マルチクラウド インフラストラクチャを維持している10社に9社が課題があると回答しています。ハイブリッドおよびマルチクラウド環境の管理のコストとその複雑さが、アプリケーションのデリバリや導入からセキュリティやパフォーマンスまで、あらゆる面で大きな課題を生み出しかねません。

問題の1つは、さまざまなアプリケーション導入モデルに使用されるツールに標準化と相互運用性が欠けていることです。また、複数の環境で実行される分散型アプリケーションのパフォーマンスの最適化も課題です。さまざまな環境で一貫したアプリケーション セキュリティ ポリシーを確保することの難しさも、大きな問題となっています。

こうした課題に直面し、ほとんどの組織は、インフラストラクチャの複雑さを軽減し、導入環境を統合し、複数のポイント ソリューションの必要性を減らしたいと考えています。しかし、コスト、制御、レイテンシ、事業継続性、拡張性は永遠の課題であり、複数の導入オプションを確保し、複数の環境にアプリケーションやAPIを分散させる正当な理由は常に存在します。デジタル組織は、ビジネスに最も有用な場所にアプリケーションとアプリケーション コンポーネントを導入できる柔軟性を期待し、それを必要としています。しかし、柔軟性を得ることでしばしば複雑さが増し、それによってビジネスの他の優先事項を損なう可能性があります。

マルチクラウド ネットワーキングに対するF5の解決策

マルチクラウド ネットワーキングは、マルチクラウド アプリケーション アーキテクチャのインフラストラクチャの複雑さを軽減する重要なコンポーネントですが、必ずしもうまく解決できるわけではありません。そのため、F5はお客様とともに、マルチクラウド ネットワーキングを自動化する機能の提供に取り組んでいます。これには、ソフトウェア定義のネットワーキングと宣言型のセキュリティ機能を最大でアプリケーション層まで、そしてアプリケーション層を含め拡張する、真に拡張可能なアプリケーション ファブリックが含まれます。

F5は、業界をリードする世界各国のデジタル企業数千社をサポートしています。その多くはマルチクラウドへの取り組みを開始しており、当社は、マルチクラウド ネットワーキングを簡素化するためのオポチュニティとその価値を認識しています。F5のマルチクラウド ネットワーキング ソリューションによって、以下が可能であることが実証されています。

  • 手動のプロセスを自動化して、マルチクラウド環境のアプリケーションのセットアップ(アプリケーションの接続、導入、保護など)に必要な期間を週単位から時間単位に短縮することで、ビジネスの俊敏性を高める
  • 組織が一貫したセキュリティ ポリシーを適用し、統一できるように、1つのファブリックを構築することで、セキュリティを強化し、サイバー攻撃に対する脆弱性を軽減する。
  • マルチクラウド環境でアプリケーションを接続、導入、保護する際の俊敏性と効率性を高めることで、運用コストを10分の1に削減する

すべて、ビジネスの包括的な構造を変更する必要はありません。

例えば、ある大手マネージド サービス プロバイダが新しい課題に直面しています。課題とは、顧客がアプリケーションをモダナイズし、複数のクラウドを利用しているため、セキュリティ面と運用面で問題が生じていることです。複数のクラウドにわたってアプリケーションを接続して保護するには数週間かかり、その運用も複雑です。この新しい環境に適したソリューションが必要なのです。F5 Distributed Cloud ServicesをベースとしたF5のマルチクラウド ネットワーキング ソリューションを利用すると、自動オーケストレーションと統合により、アプリケーションの接続と保護に数週間かかっていたのを数時間に短縮できるため、MSPは顧客の課題を解決することができます。

当社は最初から、従来の考え方ではマルチクラウド環境にアプローチできないと考え、各段階で、お客様のニーズを重視してきました。そして、お客様のデジタル化の取り組みは、従来のデータ センタからクラウド、エッジのアーキテクチャへの進化を伴うことから、当社はお客様の現状を把握し、自信を持って成長するためのレジリエンスと俊敏性をお客様に提供する能力に投資してきました。

ハイブリッドとマルチクラウドに簡単にアプローチする

ハイブリッドとマルチクラウドのシステムは複雑ですが、組織は、ビジネス全体で複雑さを軽減し、セキュリティとパフォーマンスを向上させて、それらのシステムをうまく管理することができます。その鍵となるのが、ビジネスに必要なものを見極めることに重点を置いた、周到で戦略的なアプローチを採用することです。

F5のマルチクラウド ネットワーキングおよびセキュリティ ソリューションなら、組織は、現在の手動のプロセスを自動化し、複数のマルチクラウド環境にわたってアプリケーションを接続して保護することができます。複雑さを軽減する一貫したポリシーを、オンプレミス、複数のパブリック クラウド、エッジなど、あらゆる場所にあるアプリケーションとAPIに適用できます。お客様がビジネスを拡大し、オンプレミスからクラウド、エッジに移行する、デジタル トランスフォーメーションの取り組みを進めるのに伴い、当社はお客様と協力して、包括的で一貫したセキュリティ、パフォーマンス、適応性、レジリエンスを確保し、お客様が常に進化、成長、成功できるよう支援します。

F5のマルチクラウド ネットワーキング ソリューションの詳細をご覧ください。