パイプライン処理とは、コンピュータ等が情報処理を行う際に、ある処理の出力が次の処理の入力になるようにした上で、複数の処理機構を並行させて動作させることを意味します。実際の例としては、CPU内部の命令パイプライン、3次元グラフィックスのグラフィックス パイプライン、UNIXに実装されているパイプ等が挙げられます。
インターネットの世界でパイプライン処理と言った場合には、HTTPパイプラインを意味することが一般的です。HTTPパイプラインとは、1つのTCP接続の上で、複数のHTTPリクエストを並行して扱うことを意味します。これはHTTP/1.1で導入された機能です。
それまでのWebサーバとのやり取りは、1つのリクエストを出してそのレスポンスを待ち、レスポンスが到達すると次のリクエストを出す、というものでした。1つのWebページはHTMLファイルだけではなく、CSSやJavascriptのファイル、画像ファイル等のやり取りも必要であるため、そのままではページが表示されるまで、長い時間がかかります。これに対してHTTPパイプラインでは、Webサーバにリクエストを送り出したクライアントは、そのレスポンスを待つことなくリクエストを次々に出していき、それらのレスポンスを受け取っていきます。これによって、Webアプリケーションのレスポンス時間を短縮できるようになります。