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2022年版アプリケーション戦略状況:デジタル イノベーターがモダナイズの重要性を強調

Cindy Borovick サムネール
Cindy Borovick
Published May 19, 2022

今年の「アプリケーション戦略状況」レポートは、デジタル トランスフォーメーションのリーダーであるために必要な資質を解明することを目的としています。デジタル イノベーターは、お客様とどのように対話すべきか、組織では製品やサービスをどのように製造および作成すべきか、社内の運用チームや技術スタックはこれらの体験をどのように提供すべきかという点について、最前線で対応にあたります。詳しく見てみると、82%の組織が、いわゆるデジタル イノベーターと呼んでいる社内従業員に加えて、顧客、患者、パートナー、サプライヤー、有権者、学生ともデジタルでやり取りしていることがわかりました。

デジタル イノベーターは、単にテクノロジを購入するだけでなく、戦略的な思考でデジタル トランスフォーメーションに取り組み、望ましいビジネス成果をもたらすために必要となる技術スキルの点と点を結んでいます。デジタル イノベーターが運用およびビジネスの仕組みを変え始めたのには理由があります。あらゆる業務に広がるデジタル構想は、イノベーションのスピードアップ、マーケット シェアの拡大、業務効率の向上を約束するからです。

Lori MacVittieが述べているように、今年、当社は、デジタル トランスフォーメーションにおけるビジネス上の取り決めを実現している技術面に大きな関心を寄せています。当社の調査によって、このようなデジタル イノベーターによる新しいテクノロジやプロセスの導入方法に関する具体例が明らかになり、各業界のリーダーが成功を追求し、追従して、模倣することが期待されています。それでは、見ていきましょう。

運用のモダナイズ

サイト リライアビリティ エンジニアリング(SRE)を実践することで、アジリティ、セキュリティ、パフォーマンスに対するビジネス ニーズを満たすことを目的として、開発や運用のさまざまな分野でプロセスを大規模に自動化することができます。SREの実践とデジタル革新の重要性における点と点を結び付けたところ、45%のデジタル イノベーターがSREを実践しているのに対し、デジタル サービスを利用していないデジタル イノベーターはわずか10%であり、その差は4倍にもなることが判明しました。IDCによると、今年は6,200億ドル以上の支出が見込まれており、デジタル トランスフォーメーションのあらゆる優先事項の中で運用への投資が際立っていることは明らかです。

リスク管理のための優れたアプローチ

高度なデジタル ビジネスでは、リスク管理に対して現実的なアプローチを取らなければならないことが知られています。こうした組織は、データを活用して、セキュリティと、人の心をつかんで離さない迅速なデジタル インタラクションを実現するためのビジネス ニーズとの間で然るべき選択を行っています。リスク管理に対する1つの見方は、組織がセキュリティとアプリケーション パフォーマンスの間で妥協しているかどうかを把握することです。実際、デジタル サービスを提供していないデジタル イノベーターでは63%にしかならなかったのと比較して、76%のデジタル イノベーターは、アプリケーション パフォーマンスを向上させることができれば、セキュリティの一部の要素を無効にすることに抵抗がないことが分かりました。このようなデジタル イノベーターは、優れたカスタマ エクスペリエンスを実現するリアルタイムのビジネス ニーズと、脅威から組織を保護する必要性を天秤にかけているのです。

デジタル トランスフォーメーションは、企業が価値を生み出す仕組みを変化させており、新たなビジネス スタイルでは、組織が外部パートナーや顧客とどのようにやり取りを行うかで生まれる価値が変わってきます。APIは、デジタル ビジネスでこのやり取りを行う手段であるため、このAPIを保護することが最も重要となります。デジタル イノベーターはAPIセキュリティの導入をさらに進めており、現時点で87%のデジタル イノベーターがAPIセキュリティを導入しているか導入を計画しているのに対し、デジタル サービスを提供していないデジタル イノベーターでは43%にとどまっていることが分かりました。

パフォーマンス向上のためにセキュリティ要素の一部を無効にしたり、APIセキュリティの重要性を理解したりするなど、情報に基づいた選択を行うために、デジタル リーダーはデータからインサイトを得る必要があります。デジタル イノベーターは、アプリケーションの健全性、パフォーマンス、セキュリティに関するデータとインサイトを利用して、アプリケーションが顧客と従業員の体験やビジネスに与える影響を測定しています。デジタル イノベーターの間では、78%が優先度の高いビジネス アプリケーションの健全性を報告するために必要なツールを所有していると回答しているのに対し、デジタル サービスを提供していないデジタル イノベーターに関しては36%にとどまっています。同様に、デジタル イノベーターは、ビジネス リーダーに対してサービス レベル アグリーメントやレポート能力を示すために、メトリクスを優先する傾向が非常に高くなっています。

グローバル スケールに対応するエッジへの期待

多様なイノベーションの活用を期待しているこのデジタル イノベーター集団は、グローバルなオンデマンド スケールでの顧客の開拓および拡大にエッジを採用していると回答した割合が5倍にも上りました。ビジネス目標に鋭く焦点を当てるため、より優れたアプリケーション パフォーマンスでカスタマ エクスペリエンスを向上させるためにエッジを活用する割合が高くなっています。当然のことながら、このような組織は、各大手クラウド プロバイダの価値を最大限に引き出す方法を心得ており、80%が複数のクラウド プロバイダを利用していると回答しているのに対し、デジタル サービスを提供していない組織では36%にとどまっています。

まとめ

デジタル イノベーターは差別化を図りながら、テクノロジによってビジネス価値をもたらす方法を見つけ出す現場の最前線にいます。彼らは、アプリケーション パフォーマンスとグローバル スケールを実現する上でのエッジの重要性を認識する一方で、運用およびセキュリティに関して最新のアプローチを取っています。その中核にあるのは、データとインサイトを活用して、ビジネスが求めるデジタル エクスペリエンスを提供することです。彼らは、ビジネスのスピードに合わせてテクノロジが確実に動くようにしています。当社の最終報告書には掲載されませんでしたが、デジタル イノベーターの行動が早いもう一つの理由は何だと思いますか?データによると、デジタル イノベーターは、デジタル サービスを提供していない人と比べて、カフェインを摂取している確率が2倍にもなるそうです。#nowyouknow


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