2023年版アプリケーション戦略状況：デジタル トランスフォーメーションの取り組みがついに実を結ぶ
この5年近く、市場では、デジタル トランスフォーメーションが今すぐ必要であると声高に訴えられてきました。世界中のあらゆる業界の組織がこの列車に飛び乗り、今世紀最大の技術的な取り組みに邁進する中、当社は4年にわたって、各組織のデジタル トランスフォーメーションの取り組みの状況を追跡調査してきました。
進み方はゆっくりですが、着実な歩みを示しています。今年のアプリケーション戦略状況レポートのデータは、組織のデジタル トランスフォーメーションが潮の満ち引きのように、あるフェーズから別のフェーズへ、ときには戻り、また進んでいることを示しています。
このような満ち引きがあるのは当然であり、その主な理由は、大半の企業の重要な部門がデジタル化されていないことにあります。部門（ビジネス部門）全体がいまだ、紙を使用した従来の手作業のプロセスから、自動化されたアプリケーションベースのサービスに移行していません。このため、組織が第2フェーズに進み、ビジネス プロセスを表すデジタル サービスをつなぎ合わせ始めると、しばしば手作業に直面し、それがクリティカル パスであることが判明します。そこで第1フェーズに戻り、その部門をデジタル化することになります。
こうした状況が予想以上に頻発するのは、法務、人事、財務、その他、従来のたくさんのバックオフィス部門が、デジタル サービスを提供するための組織横断的な大規模な取り組みの中核となっているからです。当社の調査結果は、ビジネス部門と一般業務が、今年はこれまで以上に注目を集めていたことを示しています。一般にIT部門が隠れてしまうほどではありませんが、顧客対応部門がデジタル トランスフォーメーションの取り組みの優先順位で第3位に後退しています。
5年も経てば、特にパンデミックの期間の猛烈なペースを考えると、組織は少なくともその投資や取り組みから何らかの見返りを実感し始めていると思いますか。
その通りです。
今年、私たちは、デジタル トランスフォーメーションの取り組みから得られたメリットがあるとすれば、それは何かと尋ねました。結果は、これまでのデータと優先順位の変化を考えると、驚くようなものではありませんでした。
この数年、優先されていたのは3つの分野、すなわち、IT、ビジネス部門、そして顧客対応活動でした。
自動化、ワークフロー、効率性の関係は十分に理解されているため、ビジネスとITの運用の「効率化」が組織が実感しているメリットの上位に挙げられていることは驚くことではありません。同様に、従業員の生産性の向上がメリットの5位までに入っていることは、手作業で行う方法やプロセスがデジタル サービスと自動ワークフローに移行することの価値を証明しています。
組織がITとビジネス成果の連携の強化を実感していることに、勇気づけられます。それぞれのデジタル トランスフォーメーションの取り組みの最終形が存在し、それに到達できるとすれば、それはテクノロジ戦略とビジネス戦略が見分けが付かないほど一体化したデジタル ビジネスです。組織が見せかけのデジタルをまとった従来のビジネスから、完全に運用可能なデジタル ビジネスへと飛躍するには、この連携は望ましいだけでなく、必要なのです。
当社の年次調査の完全な結果が発表されるまで、まだ1か月以上あるので、ここではあまりお話しできませんが、興味深い結果がいくつも指摘されています。
- ハイブリッドITの必然性
- コア、クラウド、エッジにわたるワークロードの大規模な移行
- 課題から、ネットワーキングまで、あらゆるもののマルチクラウド化
そう、ネットワーキング、つまりマルチクラウド ネットワーキングなどです。ネットワークが再び注目されているので、パケット フィルタを準備しておいてください。
どうかお見逃しなく。ぜひご期待ください。近日中に2023年版アプリケーション戦略状況レポートの詳細をご紹介する予定です。