F5、NVIDIA BlueField-3 DPU でサービスプロバイダーと企業による AIアプリケーションのデリバリーを強化

F5の新しいインテリジェントプロキシである F5 BIG-IP Next for Kubernetes とNVIDIA BlueField-3 DPU の組み合わせにより、AIワークロードのアプリケーションデリバリーを革新

（本リリースは、弊社本社から10月23日に発表された発表文の抄訳です）

マルチクラウドのアプリケーション セキュリティとデリバリーの世界的リーダーである F5 (NASDAQ: FFIV) は、BIG-IP Next for Kubernetesの提供開始を発表しました。この革新的なAIアプリケーションのデリバリーとセキュリティのソリューションは、サービスプロバイダーや大企業に向け、大規模なAIインフラを経由するデータトラフィックの高速化、安全化、効率化を実現する集約的なコントロールポイントを提供します。

このソリューションは、高性能なNVIDIA BlueField-3 DPUのパワーを活用し、大規模なAIの導入に不可欠なデータセンターにおけるトラフィック効率性を向上させます。ネットワーキング、トラフィック管理、セキュリティの各機能を一元化した表示により、お客様はAIアプリケーションのパフォーマンスを最適化しながら、データセンターのリソース利用を最大化することが可能。さらに、インフラ効率の改善にとどまらず、より高速かつ応答性の高いAI推論が可能となり、最終的にAIドリブンなカスタマーエクスペリエンスを強化させることにつながります。

F5 BIG-IP Next for Kubernetes は、大規模な通信事業者のクラウドおよび5Gインフラにおいてすでに実力を裏付けされた Kubernetes 環境向けの専用ソリューションです。BIG-IP Next for Kubernetes により、このテクノロジーは推論、検索拡張生成 (Retrieval Augmented Generation: RAG)、シームレスなデータ管理およびストレージを含む主要なAI使用事例に最適化されることになります。さらに NVIDIA BlueField-3 DPUとの統合により、高性能なネットワーキング、セキュリティ、トラフィック管理を実現しながら、ハードウェアの設置面積を最小限に抑え、きめ細かなマルチテナントを可能にし、エネルギー消費を効率化するのです。

F5とNVIDIAの技術を組み合わせることで、モバイルおよび固定通信サービスプロバイダーは、クラウドネイティブ (Kubernetes) インフラへの移行を容易に実行できるようになります。また、高まりつつあるベンダー側からの要望、つまり自社の機能をクラウドネイティブネットワーク機能（cloud-native network functions: CNFs) モデルに適応させたいといった需要に対応させることも可能となります。F5 BIG-IP Next for Kubernetes は、データ量の多いタスクを BlueField-3 DPU にオフロードし、CPUリソースをより収益性の高いアプリケーションに解放します。このソリューションは、仮想化RAN (vRAN) やMSO向けDAA、5Gのコアネットワークなど、ネットワークエッジで特に有益であり、将来の6Gに向けて可能性を広げます。

F5 BIG-IP Next for Kubernetes は、以下の通り、特に需要の高いサービスプロバイダーや大規模インフラ向けに設計されています：

• クラウド規模で AIサービスの提供を合理化：BIG-IP Next for Kubernetesは、お客様のフロントエンドのネットワークとシームレスに統合し、遅延時間を大幅に削減すると同時に、高性能な負荷分散を提供することで、数十億パラメータ規模のAIモデルと数兆を数えるオペレーションによる膨大なデータ需要に対応します。
• AI導入時の制御を強化： BIG-IP Next for Kubernetesは、高度な可観測性ときめ細かな情報により、最新のAIネットワークへの一元的な統合ポイントを提供します。BIG-IP Next for Kubernetesは、HTTP以外の複数のL7プロトコルをサポートし、非常に高いパフォーマンスでデータ出入力の制御を強化します。
• 新しいAI環境の保護：お客様は、AIのトレーニングおよび推論に際し、エンドポイント検出とセキュリティを完全に自動化できます。また、BIG-IP Next for Kubernetesは、AIアプリケーションを標的型脅威から隔離し、データの完全性と主権を強化するとともに、最新のAI環境に不可欠な暗号化機能にも対応します。

NVIDIA BlueField-3 DPU上で動作するBIG-IP Next for Kubernetesの提供は、11月より開始予定です。さらなる情報は、F5のブログ（英語）でもご覧いただけます。

関係者からのコメント: 

• F5チーフ テクノロジー & AIオフィサー　クナル・アナンド（ Kunal Anand）：「AIの普及は、最先端の半導体と技術に対するかつてない需要を喚起しています。大規模なAIモデルをトレーニングし、推論スケールに必要とされる処理能力を驚異的な速度そして最小限の遅延時間で提供するために、企業や組織は高度に最適化された環境であるAIファクトリーを構築しつつあります。F5が誇る堅牢なアプリケーションデリバリーおよびセキュリティサービスと、NVIDIAが提供するフルスタックのアクセラレーテッド コンピューティングとの相乗効果により、強力なエコシステムが構築されます。この統合により、ハードウェア アクセラレーション レイヤーからアプリケーション インターフェースに至るまで、スタック全体のAIワークロードを横断的に強化し、可観測性、きめ細かな制御、最適化されたパフォーマンスをお客様に提供いたします。」

• NVIDIA   AIネットワーキング & セキュリティパートナーシップ担当シニアディレクター　Ash Bhalgat：「サービスプロバイダーと企業は、クラウド規模で高性能AIアプリケーションを安全かつ効率的に提供するために、高速化されたコンピューティングを必要としています。NVIDIAはF5と連携し、AIアプリケーションのデリバリーを加速し、BlueField-3 DPUによって最良の効率化とシームレスなユーザー体験を保証いたします。」

• IDC  コンピューティング システム リサーチ プラクティス担当バイスプレジデント  Kuba Stolarski：「AIの持つ可能性を実現させるには、業界が以前から準備してきたレベルを超えるデータ処理能力が必要になってきます。多くの企業にとって、最先端のAI導入には、非常に複雑かつ高価な大規模インフラの構築が必要であり、同時に効率的かつ安全な運用がこれまで以上に重要になっています。こうした中、F5 BIG-IP Next for Kubernetes は、大規模なAIインフラストラクチャのパフォーマンスとセキュリティ上の懸念に対応しています。つまり、最適化されたトラフィック管理を提供することで、企業はAIモデルの推論中にデータ取り込みのパフォーマンスとサーバー利用率を向上させることができる。これは、AIアプリケーションユーザーの顧客体験を大幅に向上させることでしょう。」

• WWT  AI・アプリ・APIセキュリティ ソリューション担当グローバル プラクティス マネージャー　Todd Hathaway：「AIワークロードの爆発的な増加により、Kubernetes の出入力において、大規模化・最適化・強化をもたらす制御に対して大いなる需要が新たに生まれています。F5 が BIG-IP Next for Kubernetes の確立されたメリットを NVIDIA BlueField-3 DPU 上で直接提供することで、すでに実証済みのテクノロジーが、大規模なAI導入に理想的な挿入ポイントで展開できるようになりました。WWTのクライアントは、データ取り込み性能の向上と、モデルトレーニング中のGPU利用率の向上、推論中のユーザー体験の向上の恩恵を受けることができ、同時にセキュリティサービスの戦略的制御ポイントを獲得することができます。当社の最重要戦略パートナーであるF5とNVIDIAのテクノロジーは、卓越したデジタルセキュリティを提供するという当社の『グローバル・サイバー』ミッションをさらに強化するものです。」

関連リソース（いずれも英語）:

• F5 Blog Post
• Technology Collaboration Page
• NVIDIA Blog Post