Cultural Survivalは、世界中の先住民族文化のアドボカシーを強化するために、F5の2021年Tech for Good助成金を利用してWebサイトを再構築しています。
1972年、ハーバード大学の4人の人類学者は、ブラジルのアマゾン地域の先住民族文化や、先住民族が何世紀にもわたって暮らしてきた土地の生物多様性を外部の鉱山企業が脅かしているのを目の当たりにしたことから、Cultural Survivalという非営利団体を立ち上げました。
約50年後、Cultural Survivalの活動は70か国以上の先住民族コミュニティにまで広がり、先住民族と協力してその文化を実践し、ネイティブ言語を話し、その土地を統制して持続的に管理する権利を擁護しています。
現在、世界人口の6.2%が先住民族です。世界90カ国、約5,000のグループに属する先住民族は約5億人に上ります。
しかし、先住民族の自己決定権は、政府の条約や「先住民族の権利に関する国際連合宣言」などの国際的な宣言によって保護されている一方で、採取産業に従事する政府や企業は、先住民族の同意なしに彼らの領域で操業することが非常に多く見られます。残念ながら、これらのコミュニティの多くには、認識を高め、自分たちの権利を守るために必要な財源や通信機構がありません。
Cultural Survivalは、半世紀以上にわたり、先住民族コミュニティの主権と自己決定権を守るためにさまざまな手段を講じて、先住民族の人権擁護活動に協力してきました。主に先住民族によって運営されているこの非営利団体は、人権侵害を記録し、国連などの国際的な場で先住民族コミュニティを擁護し、先住民族の権利保護に対する各国の取り組みをまとめた報告書を発行しています。
Cultural Survivalは、先住民族コミュニティにとって重要な問題に対する先住民族の声を広めるメディア制作者と協力しています。先住民族に情報を提供し、表現の自由の権利を行使するために、コミュニティ ラジオの力を利用してIndigenous Rights Radioプログラムを主催しています。先住民族のアーティストの作品を展示するバザーを開催し、先住民族が直面している問題を大衆に伝えています。また、先住民族のラジオ局の放送インフラストラクチャを強化し、コミュニティ ジャーナリストにトレーニングの機会を提供するための助成金を提供しています。
これらの取り組みにより、先住民族文化や、先住民族が土地や生活様式を維持するために直面している問題について認識を高めています。
例えば、Cultural Survivalでは、ホンジュラスでレンカ族の環境と人権を守るために活動しているLenca Indigenous Movement of La PazのリーダーであるDonatila Girón Calix氏の活動を支援しています。Calix氏は、川の水をエネルギーとして利用する一方で、多くの人々が水不足になる水力発電ダムに反対してきました。また、伐採企業による先住民族の土地にある森林の伐採阻止にも尽力しています。
「私たちにとって、先住民族として生きるうえで欠かせない要素は、水を大切にする方法、森やテリトリーを見る方法、自然と調和して共存する方法です」とCalix氏は述べています。「私たちの水、森、そしてテリトリーは、全体の一部であり、学びの道であり、生活様式であり、宇宙全体であるため譲れません。」
Cultural Survivalでは、インドのジャールカンド州で先住民族の権利を守るために先頭に立って活動している、Kudukh族の活動家であるPhilip Kujur氏の活動に関する認識向上にも取り組んでいます。Kujur氏は、先住民族の林業経済を、開発プロジェクトのためにこれらの地域で伐採しようとする産業界から守るために活動しています。
「大勢の先住民族がその自然の家から追い出されているだけでなく、何千平方キロメートルもの原生林が破壊されています」とKujur氏は述べています。「だからこそ私たちは、先祖から受け継いだ森、水、土地を守るための戦いは、自分たちのアイデンティティや存在を守るための戦いと同じだと考えているのです。」
Cultural Survivalのプラットフォームで重要なのは、先住民族の問題についての認識向上に役立つWebサイトです。1万ページに及ぶ情報を掲載し、年間300万人がアクセスするこのWebサイトは、寄付金の募集や助成金の獲得機会の宣伝に使用され、先住民族に影響を与える問題についてのグローバルな情報ハブとなっています。
「私たちは、現地で何が起きているかをニュースや情報として発信している数少ないグローバル組織の一つです」と、Cultural Survivalの戦略的パートナーシップおよびコミュニケーション担当ディレクターであるDaisee Francour氏は述べています。「先住民族に関するニュースを聞いても、私たちが書いたものでも伝えたものでもないことがよくあります。私たちは、自分たちの世界観でこのニュースを伝えている数少ない組織の1つです。」
Webサイトのプラットフォームに対する現在の助成金支援が終了するため、Cultural Survivalは、Webサイトの将来的なセキュリティを確保しつつ、より速く、より使いやすく、スペイン語でも表示されるようにしたいと考えました。また、田舎に住む先住民族が最もよく使用するモバイル デバイスからのアクセスも改善したいと考えていました。
Webサイトを刷新するために、Cultural Survivalは1万米ドルのF5のTech for Good助成金を獲得し、この変更に必要な技術サポートを採用するために使用しています。この助成金の一部は、先住民族のデザイン会社であるAnimikiによる新しいWebサイトのデザインに使われます。
「視覚的に魅力的で使いやすいWebサイトにすることで、より多くの人に私たちの活動を知ってもらうことができます」とFrancour氏は述べています。「Webサイトにアクセスする人の理解度はさまざまですが、最終的には、もっと知りたいと思ってもらい、先住民族文化への関心を高めてもらいたいのです。」
この1年半の間に、Cultural Survivalは、引き続き先住民族コミュニティのニーズに応えるための戦略的計画プロセスを開始しました。その取り組みの一環として、支援しているコミュニティとの関係を深めることを計画しています。例えば、土地の問題でコミュニティと協力している場合は、より総合的な方法でコミュニティを支援するために、気候変動、言語復興、アドボカシー構築、コミュニティ メディアにもリソースを割きます。
Cultural Survivalが将来の道を方向づけるうえで、技術は重要な味方であり続けるとFrancour氏は述べています。「技術のおかげで、世界各地の先住民族コミュニティがアイデアを交換し、リソースを動員できます。」と彼女は述べています。「また、引き続き先住民族の自己決定権についての声を広め、認識を高めていくためにも重要なツールです。」
F5は、専門知識を活用して非営利団体のデジタル トランスフォーメーションへの取り組みを支援することで、当社の目的、影響力、つながりを、F5という会社の枠を越えて広げることに取り組んでいます。また、Tech for Good助成金によって、非営利団体が技術的なリソースを更新するのをサポートして、支援している人々のためにもっと多くのことができるように、管理作業の合理化、データ セキュリティの向上、そして何よりも重要なその使命の促進を実現します。
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詳細については、過去のブログ記事「Using Tech for Social Good」、「Helping New Mothers Stay Connected During the COVID-10 Pandemic」、および「Breaking Down the Barriers to Girls’ Education in Peru」をお読みください。