トラフィック シェーピング(またはパケット シェーピング)は、特定のアプリケーションが消費できる帯域幅を制限し、重要なアプリケーションで高い性能を確保するための技術です。

トラフィック シェーピングとは何か

トラフィック シェーピングにより、ネットワークに出入りするデータ量を制御して、ネットワーク パフォーマンスを向上させることができます。トラフィックは、ネットワーク ポリシーに従って分類され、キューに入れられ、誘導されます。基本的に、トラフィック シェーピングは、重要度が低いと分類されたパケットの送信速度を低下させることでネットワークを調整するため、優先度の高いアプリケーションを遅延なく配信することができます。

ネットワークの帯域幅を管理することで、組織は重要なアプリケーションやビジネス トラフィックのパフォーマンスとサービス品質を保証できます。

トラフィック シェーピングが重要である理由

すべてのネットワークには帯域幅に限りがあるため、帯域幅を管理するトラフィック シェーピングは、重要なアプリケーションのパフォーマンスを保証したり、時間的制約のあるデータを確実に配信したりする上で重要なツールとなります。

トラフィック シェーピングは、サービス品質を保証し、帯域幅を不正利用するDDoS攻撃(分散型サービス拒否攻撃)から防御するための強力かつ柔軟な方法です。トラフィックの急増からネットワークとアプリケーションを守り、不正ユーザーを規制し、ネットワーク攻撃によってネットワーク リソースが圧倒されるのを防ぎます。

トラフィック シェーピングの仕組み

効率的なトラフィック シェーピング システムを実装するための最初のステップは、ネットワーク上のさまざまな種類のトラフィックを分類することです。

たとえば、ある重要なWebアプリケーションを行き来するトラフィックを優先し、ネットワークがどんなに混雑していても、この重要なトラフィックは通常どおりに転送されるようにする必要がある場合です。この場合、他の種類のトラフィックは優先順位が下がる可能性があります。このような状況が発生した場合、パケットは、目的とする構成済みの合計速度を超過することなく転送できるようになるまで、ただバッファに保持されます。

分類システムが設定されると、トラフィック シェーピング アプライアンス(多くの場合はApplication Delivery Controller)が、ネットワークを出入りする帯域幅の管理を開始します。

F5によるトラフィック シェーピング対策

新しい種類のアプリケーションでは、従来のトラフィック シェーピング技術では不十分な場合があります。BIG-IP Local Traffic Managerは、iRulesと呼ばれるカスタマイズ可能なビジネス ポリシーが実現する、高度できめ細かなトラフィック シェーピング技術を提供します。