ADCとは「Application Delivery Controller」の略で、ロードバランサ(負荷分散装置)の機能をさらに高度化したものです。
ロードバランサはリバース プロキシの一種であり、クライアントからのリクエストを複数のサーバに振り分ける処理を行うことで、サーバの負荷を分散します。従来のロードバランサは、クライアントとサーバとの間でやり取りされるパケットを、単純に中継するだけのものでした。そのため、TCPコネクションの確立やHTTP/HTTPSのセッションは、クライアントとサーバの間で直接行われるのが一般的でした。
これに対してADCでは、アプリケーション レイヤまでカバーしたフル プロキシとして機能し、クライアントからのリクエストに対し、サーバの代理として応答することが可能になっています。サーバとの間は、クライアントとの間とは別のコネクション/セッションを張ります。このようなアーキテクチャを採用することで、従来のオードバランサに比べて幅広い機能の実現が可能になっています。
ADCが実現できる機能としては、以下のものが挙げられます。
F5はADCを実現する製品として「F5 BIG-IP」を提供しています。