回投稿されたブログは、F5ネットワークスのテクノロジー・エバンジェリストであるキショレ・パトナム(Kishore Patnam)のブログ投稿「Network Functions Virtualization (NFV) – Moving from Vision to Operationalization」を元に、日本向けに再構成したものです。

このブログの読者ならほとんどの人がご存知のように、NFVは徐々に、しかし着実に現実のものとなってきています。NFVを実際に商業展開している通信事業者はまだわずかですが、多くの事業者はすでにコンセプト実証試験(POC)を実施し、さらにその一部は自社のネットワーク内の一部において範囲限定の検証試験を行い、またそれ以外の企業も広大なエンドツーエンドのネットワークエコシステムの一部としてNFVの試験運用を幅広く進めようとしています。これらの企業がさまざまなNFVプログラムを推進する要因はそれぞれ異なりますが、容量の柔軟な拡大縮小、設備投資額の確実な予測、迅速かつ柔軟なアプリケーション/サービス展開、およびこれらすべてをオープンソースのソフトウェアと汎用ハードウェアによって実現することなどが主な理由として共通しています。

運用可能であること(オペレーショナライゼーション) – NFVの成功の鍵

NFV推進する理由はひとつに決定されていませんが、サービスプロバイダーはNFVに魅力的なメリットが存在すると認識していても、その成功の鍵が「運用可能な状態」であることを次第に、ただし着実に認識し始めています。この運用可能な状態とは何を意味するのでしょうか?これにはいくつかの項目が含まれます。

  • さまざまなベンダーのネットワーク機能(VNF)を、ネットワーク内のさまざまな箇所に適切に組み込むことが可能
  • さまざまなベンダーの異なるVNFについて、均一、オープン、かつ標準的な形による管理/オーケストレーションを行えること
  • 現在の信頼性/アベイラビリティを、新しいNFVベースのアーキテクチャにおいても実現できること
  • NFVベースのインフラストラクチャと、専用ハードウェアによるすでに運用中の従来のインフラストラクチャとの間に互換性が存在すること
  • これらの課題に対処し、NFVを運用可能な状態とするため、サービスプロバイダーにはどのような行動が可能でしょうか?このブログとその続編を通じてこれらの課題とその対応策を検討したいと思います。

オープンソースのテクノロジー - 両刃の剣か?

運用可能な状態の実現には非常に多数のテクノロジーとアプローチが関係しますが、ベンダーの仕組みはそれぞれ異なり、かつそれらの間に互換性が存在するとは限らないため、サービスプロバイダーはこの「運用可能な状態の実現」が言葉ほどには簡単でないことを認識し始めています。NFVによって約束される真の運用効率を得るためには、サービスプロバイダーはオーケストレーション手法の統一を必要とし、これには規格が重要な役割を果たします。しかしオープンソースの規格はオープンではあるものの、必要とされる主要な機能に関しては進歩が遅く、また展開に先立って大規模なカスタマイズが必要となる技術的ギャップがいくつも存在する可能性があります。オープンソーステクノロジーは、機能が比較的安価であり、また特定のベンダーに縛られない点でサービスプロバイダーにとって魅力的です。しかしその反面、急速に進展させるために、またオープン規格に関連したサポート上の問題に対処する場合にはオープンソースコミュニティに頼らざるを得ません。このためオープンソースの機能を利用し、それを自らのニーズに合わせてカスタマイズしようとすれば、サービスプロバイダーは従来と同じくベンダーに頼らざるを得ず、ベンダーに依存した状況は変わらないことになります。

NFV – ハイブリッド型ネットワークアーキテクチャのメリット

NFVの展開にあたって考慮すべき重要な要因のひとつに、通信事業者は専用ハードウェアによる現在稼働中のレガシーネットワークアーキテクチャを持ち、それが非常に多数の加入者に音声、データ、およびマルチメディアサービスを提供していることがあります。ネットワークにNFVを導入しようとした場合、新しいNFVベースの仮想インフラストラクチャをレガシーインフラストラクチャと共存させ、また管理や調達に関してスムーズな統合を行うという課題に対処しなければなりません。サービスプロバイダーは新しい仮想化されたインフラストラクチャを既存のメカニズム/ツールによって管理することを望みますが、これは、NFVソリューションの展開を成功させるために規格やベンダーのコミュニティがすぐに対応しなければならない新たな課題が生じることを意味します。F5の幅広いソリューションは専用ハードウェアによるインフラストラクチャにもすでに展開されているのに加えて、F5のVirtual Network Function(VNF)としても展開が可能であるため、このようなネットワーク移行において極めて重要な役割を果たすことができます。レガシーネットワークと進化するNFV環境をスムーズに統合するにあたっては、F5のソリューションは専用のF5 Big-IP VIPRION、あるいはApplianceと汎用ハードウェアによるF5 Virtual Edition(VNF)のいずれに展開されているかを問わず、すべて同一のF5 Traffic Management Operation System(TMOS)とプログラマビリティを備えているので、レガシーネットワークと進化するNFV環境とのスムーズな統合を保証しています。ハードウェアベースのBig-IPネットワークエレメントと、Big-IP/Virtual Editionベースのネットワーク機能の両方の調達/コンフィグレーションおよび管理に同じCLIメカニズムを利用できるため、NFVへの移行をより容易に、またコスト効果の高い形で行えます。

また大量のトラフィックに対処し、また膨大な計算を行わなければならない、SSL、IPSec、ビデオ圧縮などの特定のネットワーク機能の拡張性に関しては、専用のソリューションの方が優れている場合も存在します。したがって現実には専用ソリューションと進化する仮想ネットワーク機能が同一ネットワーク内に共存することとなり、サービスプロバイダーにはこのようなネットワーク展開に対応することのできる拡張性に富んだソリューションが求められます。これが「ハイブリッド型」ネットワークアーキテクチャの概念であり、これはNFVを容易に導入すると共に、レガシーハードウェアをベースとするネットワークとの統合をスムーズに行ううえで極めて重要です。F5は、このような大規模サービスプロバイダーの固有で変化し続けるニーズに応えるために、専用ハードウェアと仮想化されたCOTSベースのソリューションとの組み合わせを提供することのできる、他には例を見ない位置にあります。

一連のMobile World Congress NFVブログでは、世界の通信事業者によるこのような問題の解決にF5がどのように関わったかを説明します。是非お読みください。