F5 Distributed Cloud API Security
API(Application Programming Interface)の可視化とは、APIの動作や構造を視覚的に理解しやすい形で表現することを指します。これは、APIの設計、開発、テスト、デバッグ、そしてドキュメンテーションの作成において非常に有用です。
APIはソフトウェアアプリケーション間のインターフェースであり、異なるソフトウェアコンポーネントが互いに通信するための規約を定めています。しかし、これらの規約は通常テキストベースであり、理解するのが困難であったり、誤解を招くことがあります。そのため、APIの機能や動作を視覚的に表現することで、これらの問題を軽減することができます。
APIの可視化は、APIのエンドポイント、リクエストとレスポンスの形式、認証方法、エラーコードなど、APIの主要な要素を明確に示すことができます。これにより、開発者はAPIの動作を正確に理解し、それを他のソフトウェアコンポーネントに統合することが容易になります。
さらに、APIの可視化はAPIの設計プロセスにおいても非常に有用です。APIの設計者は、APIの構造を視覚的に表現することで、その設計の妥当性を評価し、必要な変更を容易に識別することができます。
また、APIの可視化はドキュメンテーションの作成にも役立ちます。APIの使用方法を視覚的に示すことで、開発者はAPIのドキュメンテーションをより理解しやすく、使いやすくすることができます。
したがって、APIの可視化は、ソフトウェア・アプリケーション開発の生産性と品質の向上にとって、重要な役割を果たします。
API(Application Programming Interface)は、デジタル化のためのアプリケーション開発に不可欠な技術です。
いまや、レストランやホテルなどのサイトで表示される地図のほとんどは”Google Maps API“を使っており、PayPayなどのキャッシュレスのサービスは”決済API”によって決済処理を行っています。
モダンなアプリ開発においては、まずAPIをつくり、RESTやGraphQLといったインタフェースを通じて、機能やデータを呼び出して組み合わせていく「APIファースト」と呼ばれる考え方によって、俊敏な開発と、変化に強いデジタルサービスを生み出せるようになります。
しかし、APIファーストの考え方によって、増え続けるAPIは、新たなサイバー攻撃の対象となっており、サービスを中断させたり、気密性の高いデータへの漏洩ポイントになりかねません。
デジタル化を加速し、俊敏な開発を可能にする「API」に関するセキュリティのリスクを低減し、サイバー攻撃から防御するのが「APIセキュリティ」のソリューションです。
「APIセキュリティ」を実現するための最初の難点は、APIが目に見えないことです。そして、昨今のマルチクラウドおよびオンプレミスの混在環境においては、どのAPIがどこで動いているか把握するのが、ますます困難になっています。
APIへのサイバー攻撃が厄介なのは、いつ、どこから、誰が攻撃してくるかわからず、攻撃を発見することが難しいことにあります。
F5 Distributed Cloud API Security は、安全なAPIセキュリティを実現し、APIへの攻撃を発見して防御するためのクラウドサービスです。
オンプレミス、クラウドを問わず、インフラ上に散在するAPIを検出して可視化。AI/MLの利用による攻撃の検出と詳細な分析情報を提供します。シャドーAPIを特定して、API攻撃をリアルタイムでブロックし、脆弱性を元から断ちます。
SaaSベースのポータルにより、ユーザーは最新アプリケーションのAPI通信の脅威分析、フォレンジック分析、トラブルシューティングを管理し、深く掘り下げることができます。
APIの可視化
環境内に存在するすべてのWebアプリとAPIエンドポイントを検出して可視化します。これにより、既存のOpenAPI仕様の一部として既に知られているものを拡張して、正当なAPIエンドポイントを更新したり、OpenAPI仕様ドキュメントの恩恵を受けていない不明/シャドウAPIを明らかにしたりすることができます。
オンプレミスだけでなく、マルチクラウド上のAPIも含めて統合的なAPI可視化が可能です。
APIへの攻撃を検出
Top Attacked APIs、Top Sensitive Data、Total API Calls、Most Active APIs、および特定のドメイン内の各APIエンドポイントの脅威スコアが表示されます。この一元化されたビューにより、オペレータまたはエンジニアは迅速にAPI環境内の潜在的な問題を特定し、接続性、可用性、またはアプリとAPIのセキュリティに影響を与える可能性のある異常や脅威を簡単にドリルダウンして調査し、必要に応じて対処することができます。
APIへの攻撃を防御
異常な動作のクライアントや不審なAPIアクティビティに対して迅速に対処 (ブロック/許可/制限) するための重要な強制メカニズムを備えています。AI/MLによって悪意のあるユーザーを検出し、APIを含むすべてのクライアントとのやり取りに基づいてリスクスコア(高、中、低)が与えられます。学習された過去の動作に基づいて異常値が発生した場合、クライアントは悪意のあるクライアントとして分類され、ブロックされる可能性があります。
APIファーストのインフラにおいて、セキュリティを高めるための仕組みとして、よく使われるのが「APIゲートウェイ」です。APIゲートウェイはAPIのプロキシーとして働き、APIへのリクエストをシングルポイントに集中させて橋渡しすることで、「門番」としてアクセスを見張りやすくします。また、APIへの認証、アクセス制御、レート制限などの機能でAPIを保護します。F5は高性能・高機能のAPIゲートウェイ・ソフトウェア製品として「NGINX」を提供しています。
APIセキュリティは、APIゲートウェイよりも、汎用的で広範囲でのAPIの可視化とセキュリティを実現するソリューションです。APIゲートウェイにおいて、モニタリングはAPIゲートウェイのログをベースとするもので、特定のAPIゲートウェイ製品しかモニタリング・可視化できません。これに対して、F5 Distributed Cloud API Securityは、異なるAPIゲートウェイ製品が混在しても一元的にモニタリング・可視化することができます。また、オンプレミス、クラウドを問わずに、統合的にすべてのAPIを可視化する総合的な「可観測性(Observability)」、および、攻撃を検出し、防御する機能を提供します。
F5のクラウドサービス「Distributed Cloud API Security」が対応できるのは、APIへのサイバー攻撃だけではありません。DDoS攻撃や、Botによる攻撃への対策、そして、WAF(Web Application Firewall)の機能も統合しており、いつでも使い始めることができます。
さまざまなサイバー攻撃へのトータルな対策が必要なお客様のセキュリティ・ソリューションとして、ご検討ください。
F5のクラウドサービスは、あらゆるパブリック/プライベート クラウド上のすべてのプラットフォームで動作するアプリケーションに配信できます。VM、コンテナ、ベアメタル、またはサーバーレスで稼働しているアプリケーションを接続し、保護します。