ロード バランシングは、ネットワークの開放型システム間相互接続(OSI)参照モデルのさまざまなレイヤで実行できます。ここでは、モデルの2つの異なるレイヤにおける2つのロード バランシング オプションの概要を説明します。
レイヤ4ロード バランシングは中間のトランスポート レイヤで動作し、メッセージのコンテンツに関係なくメッセージのデリバリを処理します。Transmission Control Protocol(TCP)は、インターネット上のHypertext Transfer Protocol(HTTP)トラフィック用のレイヤ4プロトコルです。レイヤ4ロード バランサは、パケットのコンテンツを検査せずに、単純にネットワーク パケットをアップストリーム サーバとの間で転送します。TCPストリームの最初の数パケットを検査することで、限定的なルーティングの決定を行うことができます。
レイヤ7ロード バランシングは、各メッセージの実際のコンテンツを処理する高レベルのアプリケーション レイヤで動作します。HTTPは、インターネット上のWebサイト トラフィックで使用される主要なレイヤ7プロトコルです。レイヤ7ロード バランサは、レイヤ4ロード バランサよりもはるかに高度な方法でネットワーク トラフィックをルーティングします。これは、HTTPなどのTCPベースのトラフィックの場合に特に当てはまります。レイヤ7ロード バランサは、ネットワーク トラフィックを終了させ、その中のメッセージを読み取ります。メッセージのコンテンツ(URLやCookieなど)に基づいて、ロード バランシングの決定を行うことができます。次に、選択したアップストリーム サーバへの新しいTCP接続を確立し(またはHTTP keepalivesを使用して既存の接続を再利用し)、サーバに要求を書き込みます。
レイヤ7ロード バランシングは、パケットベースのレイヤ4ロード バランシングよりもCPU負荷が高くなりますが、最新のサーバではパフォーマンスが低下することはほとんどありません。レイヤ7ロード バランシングによって、ロード バランサはよりスマートなロード バランシングの決定を行い、コンテンツに対して最適化と変更(圧縮や暗号化など)を適用できます。バッファリングを使用して、低速接続をアップストリーム サーバからオフロードすることで、パフォーマンスを向上させます。
レイヤ7ロード バランシングを実行するデバイスは、多くの場合、リバース プロキシ サーバと呼ばれます。
簡単な例を見てみましょう。ユーザーがトラフィックの多いWebサイトにアクセスするとします。ユーザーのセッション中に、ユーザーは画像や動画などの静的コンテンツ、ニュース フィードなどの動的コンテンツ、さらには注文状況などのトランザクション情報を要求する場合があります。レイヤ7ロード バランシングにより、ロード バランサは、要求されているコンテンツの種類など、要求自体の情報に基づいて要求をルーティングできます。そのため、画像や動画の要求は、その要求を保存し、マルチメディア コンテンツを提供するために高度に最適化されたサーバにルーティングできます。割引価格などのトランザクション情報の要求は、価格管理を担当するアプリケーション サーバにルーティングできます。レイヤ7ロード バランシングを使用すると、ネットワーク アーキテクトやアプリケーション アーキテクトは、信頼性が高く需要に合わせて効率的に拡張できる、高度に調整、最適化されたサーバ インフラストラクチャまたはアプリケーション デリバリ ネットワークを作成できます。
NGINX PlusとNGINXは、クラス最高レベルのロード バランシング ソリューションであり、Dropbox、Netflix、Zyngaなどの高トラフィックのWebサイトで使用されています。世界中で3億5,000万以上のWebサイトが、NGINX PlusとNGINX Open Sourceを利用してコンテンツを迅速に、確実に、そして安全に提供しています。
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