インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)とは、現在もまだ主流となっているIPv4に代わる、次世代のIPプロトコルです。その最大の特徴は、IPv4のアドレス空間が32ビットだったのに対し、IPv6では128ビットに拡張されている点にあります。IPv6では2の32乗=約43億のIPアドレスしか持つことができませんが、IPv6では2の128乗=約340兆×1兆×1兆という、膨大なIPアドレスを使用できます。これだけのアドレスが利用可能になれば、現在使われている全てのモバイルデバイスはもちろんのこと、インターネットに接続される“モノ”が爆発的に増えると言われているIoT(Internet of Things)の時代にも、容易に対応できるようになります。
IPv4のアドレスが不足するという問題は、すでに1991年に指摘されていました。IPv6の策定は、その研究報告を受けて議論が始まったものです。IPv4のグローバルアドレスは、すでに2011年に枯渇していますが、現在でもIPv6への移行は完了していません。アクセス回線やサービスプロバイダのネットワーク、端末OSではIPv6化が進みましたが、コンテンツやアプリケーションを提供するサーバー側では、まだIPv4が広く利用され続けています。そのため、現状のIPv4対応機器を継続的にサポートしながら、徐々にIPv6へと移行できる仕組みは、現在でも非常に重要なものだと言えます。
このような機能を提供するため、F5は「F5 BIG-IPファミリー」にIPv6ゲートウェイ機能を用意しています。これを活用することで、IPv4からIPv6へのスムーズな移行が可能になります。