HTTP圧縮とは、HTTP通信においてWebサーバが返すデータを、GZIP形式で圧縮してからクライアントに送るという、通信トラフィック削減のための手法です。HTTP/1.1対応クライアントで利用可能です。「GZIP化」「GZIP圧縮」と言うこともあります。
HTTP/1.1までのHTTPでは、WebサーバはHTMLやCSS、Javascript等のファイルを、テキスト形式でクライアントに送信します。これらのファイル内の記述では、同じ文字列が数多く使用されることが多いため、GZIPによる圧縮は大きな効果をもたらし、やり取りされるデータ容量を大幅に削減できます。これによってWebアプリケーションのパフォーマンスを高めることが可能になります。しかしJPEG等の画像データやPDF等はすでに圧縮済みであるため、HTTP圧縮の効果はそれほど見込めず、逆に容量が大きくなる場合もあります。
WebサーバとしてApacheを使用している場合には「mod_deflate」というモジュールを使用することで、HTTP圧縮が行えます。しかしCPUの処理量が増えるため、CPU負荷の高いWebサーバの場合には、逆にレスポンスが低下することもあります。このような問題を回避するには、Webサーバとクライアントの間にADC(Application Delivery Controller)を設置し、ADCによってHTTP圧縮を行うのが効果的です。例えばF5が提供する「F5 BIG-IP」には、HTTP圧縮機能が装備されています。