完全修飾ドメイン名(FQDN)について、他のドメイン名との違い、F5がお手伝いできることについて説明します。
完全修飾ドメイン名(FQDN)は、インターネット上のサーバ、Webサイト、サービスなどのネットワーク リソースの正確な場所を指定する、完全で一義的なドメイン名です。FQDNは、オンライン リソースの整理、識別、およびアクセスを容易にし、さまざまなネットワーク環境間での相互運用性を確実なものにします。
FQDNは、ドメイン ネーム システム(DNS)階層内のコンピューティング リソースの正確な場所を示すために使用されます。通常、FQDNはドメイン ラベルのリストとして記述されます。つまり、トップレベル ドメイン、セカンドレベル ドメイン名、サブドメイン(使用する場合)、ホスト ドメインがドットまたはピリオドで区切られます。ラベル階層は右から左に読み取られます。FQDN構文の例として、www.shop.example.comというアドレスの場合、「.com」がトップレベル ドメイン、「example」がセカンドレベル ドメイン名、「shop」がサブドメイン、「www」がホスト名となります。
従来のドメイン名は、ラテン アルファベットと限られた文字セットを含むASCII文字セットに基づいています。しかし、世界中の多くの言語では、ASCIIで表現されない文字を使用したスクリプトが使用されています。国際化ドメイン名(IDN)は、ローカルの言語とスクリプトでドメイン名を登録および使用できるようにすることで、この制限に対処するものです。
IDNは、発音区別符号付きの文字や非ラテン スクリプトの文字など、非ASCII文字セットの文字を含むドメイン名です。IDNにより、英語以外の言語でのドメイン名の使用が可能になり、さまざまなスクリプトや表記体系の文字の組み込みがサポートされ、インターネット上の包括性と言語の多様性が促進されます。
IDNは、標準化された文字エンコード システムであるUnicodeを使用して、非ASCII文字を表します。Unicodeは、世界中のほぼすべての表記体系の文字や記号に一意の数値を割り当て、ASCII文字セットで使用できる限られた文字セットのほかにも、キリル文字、アラビア語、中国語、日本語、韓国語など、さまざまなスクリプトの文字をドメイン名に含めることができます。
同様に、Punycodeと呼ばれる別のエンコード システムは、非ASCII IDNをASCII互換の表記に変換します。これにより、さまざまなスクリプトの文字を含むドメイン名を、DNSのドメイン名に従来使用されているASCII文字セットと互換性のある形式で表記できるようになります。
ICANNによれば、「完全修飾ドメイン名」と「絶対ドメイン名」という用語は互換的に使用されることが多く、ほとんどのコンテキストで同じ概念を指します。どちらの用語も、DNS内のリソースの正確な場所を指定するために必要なラベルの完全な階層を含むドメイン名を表します。
PQDNは、FQDNになるために必要なラベルの完全な階層を欠いたドメイン名です。PQDNは、インターネット上の特定のリソースを見つけるために必要な完全なパスを提供しません。通常、PQDNにはホスト名がないため、www.example.comがサイトのFQDNである場合、「example.com」がそのサイトのPQDNになります。ほとんどのWebサイト開発者は、訪問者がFQDNとPQDNのどちらを入力しても同じページにリダイレクトするようにサイトのDNSを構成します。
FQDNはDNS内のリソースの正確な場所を指定する完全なドメイン名ですが、URLはインターネット上のリソースにアクセスするための完全なアドレス(ドメイン名以外のプロトコルや追加コンポーネントを含む)を指します。URLは、特定のWebページに移動するためにWebブラウザでよく使用されます。
FQDNは、次のような多くの重要な機能を果たします。
FQDNは、ネットワーク インフラストラクチャ、通信、Webサービスの識別、接続、セキュリティ保護において重要な役割を果たします。次のような用途があります。
コンピュータのFQDNを確認する方法は、オペレーティング システムによって異なります。
あるいは、macOSでは、ターミナルを開いてプロンプトに「hostname -f」と入力すると、FQDNが返されます。
ターミナルを開き、プロンプトに「hostname -A」と入力すると(Aは大文字と小文字が区別されます)、FQDNが返されます。
DNSは、ユーザーがサービスにアクセスできるようにするため、ネットワーク インフラストラクチャで最も重要なコンポーネントの1つとなっています。DNSが利用できない場合、サービスは正常に機能しません。F5 BIG-IP DNSとF5 Distributed Cloud DNSは、比類のないDNSパフォーマンスを提供し、マルチコアの拡張性でクエリ応答を管理し、DNSクエリの急増に対応して、複数のインスタンス間でも、ハイブリッド環境全体でもアプリケーションの高可用性を実現できます。F5 DNSプラットフォームは、管理が簡単で、簡単に可視化とプログラムができるようにし、ネットワーク アーキテクチャを管理しやすくして、Webブラウジングを高速化し、遅延を短縮してユーザー エクスペリエンスを向上させることができます。
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