Diameterプロトコルとは、認証、認可、課金(AAA: Authentication, Authorization, Accounting)のためのプロトコルです。AAA用のプロトコルは以前RADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)が利用されていましたが、パケットに格納できる情報量に制約がある、音声や映像等のサービスに必要な「確保する帯域量を通知する機能」がない、輻輳を制御する機能がない、暗号化のための規定が弱いなど、いくつかの課題を抱えていました。これらの課題を解決するために誕生したのがDiameterプロトコルです。
RADIUSに対するDiameterの主な優位性は、以下の通りです。
・同時接続数が40億以上と高いスケーラビリティを確保している。
・IPsecやTLSによってセキュリティを確保できる。
・パケット内により多くのデータを格納しやすくなっている。
・双方向で通信が行える。
・フェイルオーバーの機能を装備している。
2003年には、インターネットで利用される技術を標準化する組織であるIETFにおいて「RFC 3588」として規定され、現在ではモバイル通信事業者を中心に活用が進んでいます。なお名称のDiameterというのは「直径」を意味しています。RADIUSが結果的に「半径」を意味するRadiusと同じスペルだったことから、その発展形という意味でつけられたと言われています。
F5はDiameter関連のソリューションを開発しており、これに関する卓越した専門性を備えています。具体的なソリューションとしては「F5 Traffix Signaling Delivery Controller(SDC)」を提供しています。これはDiameterルーティング(DRA/DEA)やロードバランシング、インターワーキング機能(IWF)を1つに集約したプラットフォームであり、シンプルなネットワーク アーキテクチャを実現しています。