キャッシュ サーバとは、インターネット上のWebサイト等で提供されているコンテンツの複製を保存し、ユーザからの要求があった場合に、本来コンテンツを提供すべきサーバ(コンテンツ サーバ)に代わってコンテンツを配信するサーバのことです。これによってコンテンツ サーバの負荷軽減や、ネットワーク トラフィックの削減等を実現します。
最も広く使われているキャッシュ サーバとしては、Webサイトで使用されるリバースプロキシが挙げられます。これはWebサーバが提供するコンテンツのうち、静的なもの(変化しないもの)をキャッシュし、Webサーバの負荷を軽減します。リバースプロキシにはキャッシュ サーバとしての機能のほか、負荷分散やセキュリティ向上などの機能も装備されています。
ネットワークの中にキャッシュ サーバを設置し、コンテンツ配信を高速化するという手法もあります。このようなネットワークをコンテンツ デリバリ ネットワーク(CDN)と言います。CDNではユーザに最も近いキャッシュ サーバからコンテンツを配信することで、レスポンス速度を高め、ネットワーク トラフィックを抑制します。
DNS(Domain Name System)は、ドメイン名とIPアドレスとの対応を管理するシステムであり、世界中に存在する多数のDNSサーバで構成されています。DNSでは、ユーザからの問い合わせに対し、実際に情報を管理している「DNSコンテンツ サーバ」への問い合わせを行うことで名前解決を行うサーバを「DNSキャッシュ サーバ」と言います。ここで得られた問い合わせ結果は一定期間キャッシュに保存され、この期間内に同じ問い合わせが来た時には、「DNSコンテンツ サーバ」への問い合わせを行わずキャッシュの内容を返答します。
キャッシュとは、ネットワーク データをローカルに保存して再利用することで、キャッシュによりそれ以降の要求の転送時間を短縮することができます。Webページの静的キャッシュは、画像、JavaScript、スタイルシートなどのオブジェクトが有効期限を過ぎていない限り、それらのオブジェクトを単純に提供します。ただし、静的キャッシュは一般的に、HTTP要求の約30%にしか使用できず、通常、価値の高い動的データは含まれていません。
動的コンテンツ キャッシュではキャッシング モデルが一変し、非常に動的なWebページ、クエリ応答、XMLオブジェクトなど、より幅広いコンテンツをキャッシュすることができます。動的コンテンツ キャッシュは、F5独自の特許技術です。