私がコンピューティング業界で働いて20年以上になりますが、テクノロジ分野で少数派であるということがどういうことかを身をもって体験してきました。MITで電気工学とコンピュータ サイエンスの講義を受ける女性はたいてい、25%未満でした。卒業後、最初に務めた職場では、15人のチームで私は唯一の女性であり、何十人もの男性の同僚やクライアントが働く部屋の中でも女性は私だけでした。
私のキャリアで最悪の状況だった時期には、ささいな(時にはささいでない)攻撃に満ちた長い一日を乗り切るために、毎朝武装しなければならない気分で、疲労困憊でした。何年もかけて、私は「唯一」であることへの不安を仕事に持ち込まず、代わりにどのような状況でも明確な価値を提供することに集中する方法を学びました。
幸いなことに、F5に入社後、ジェンダー バランスの良い職場やインクルージョンの精神がはっきりと感じられる職場で働く機会が増え、そのことが私にもたらした影響は大きなものでした。「唯一」であるという脅威に備える必要がないなら、私は創造力や明晰な思考を存分に発揮し、より開放的になれるのです。
ここでは多様性の1つの側面である「性別」についてだけお話しします。データによると、テクノロジ分野における有色人種の女性のキャリアは特にほかと異なり、悲惨な状況であることを示しています。Reboot Representationによる最新の大規模調査によると、コンピューティング関係の労働者に占める有色人種の女性の割合はわずか4%に過ぎず、上級管理職はほとんどいないことがわかりました。さらに悪いことに、コンピューティング関連の学位を取得する黒人、ラテン系、ネイティブ アメリカンの女性の割合はこの10年間で3分の1減少しています。
ナショナルSTEMデーを迎えるにあたり、私はテクノロジ分野におけるこの硬直した状況に改めて注目し、焦点を当てたいと思います。私たちは集団的な支援を集結させる必要があり、そのためには、言うまでもなく、BIPOCの女性の代表を大幅に増やさなければなりません。
これは不可能ではありません。
実際に、テクノロジ分野の人材のパイプラインを日々拡大し、多様化させている10の団体があります。それが私たちの2022年度STEM教育助成金パートナーです。以下でご紹介する非営利団体は、世界各国で多くの有色人種の女性や少女を支援するSTEMプログラムを展開しています。そしてそれぞれが、女性がSTEM分野の職業に就くことを阻む障壁を打ち破っています。
ですから、「人材のパイプラインに多様な候補者が不足している」という必然的な問題に直面したときは、彼らを含む多くの非営利団体がこうした傾向を覆すために懸命に取り組んでいることを思い出してください。
本年度のF5 STEM教育助成金パートナーの皆様、おめでとうございます。少数派である有色人種の女性や少女のためにSTEM分野のキャリア パスを構築する素晴らしい活動に感謝いたします。
ナイジェリアとサハラ以南のアフリカ
ミッション:技術教育を通じて、アフリカの少女一人一人の人生を変える。2030年までに50万人のアフリカの若い女性たちの社会的地位を向上し、テクノロジ エコシステムに参加させるというビジョンを掲げて、アフリカの人材経済を後押しする。
助成金の対象:2030年までに、当団体の既存のプログラムを50万人の少女に提供できるよう拡大する。650人のアフリカの女性を対象に人工知能、データ サイエンス、機械学習、その他のプログラムの技術スキルを高めて社会的地位を向上し、さらに有給のインターンシップや雇用を提供して60%を貧困から解放する。
グアテマラ
ミッション:学問、文化、感情的知性、自己啓発を組み合わせた総合的なモデルを通じてグアテマラの教育を再定義し、変革の先頭に立つ力を持った女性リーダー世代を生み出す。
助成金の対象:MAIA Girl Pioneersプログラムを卒業した先住民族の少女たちが少なくとも15年間の学校教育を受け、高給で雇用され、リーダーシップの可能性を発揮できるようにすることで、このプログラムの成功を拡大する。
ジンバブエ
ミッション:コミュニティの問題を解決する教育とイノベーションへの科学技術の応用を進めることで若者のリーダーシップ、起業家育成、能力開発を推進するとともに、女子に特化した若者の雇用を創出する。
助成金の対象:当団体の既存のSTEMプログラムを拡大して、Zimbabweの6つの州でさらに1,000人の少女にプログラムを提供する。ジンバブエの10州すべてでGirls in STEM Boot Camp(キャリアとリーダーシップのフェア)を主催して当団体の活動を広げる。
コロンビア
ミッション:アフリカ系住民、難民、先住民族の女性と若者を中心として、途上国の社会的地位が低くリスクの高いコミュニティが質の高いデジタル教育とトレーニングの機会を得られるよう支援する。
助成金の対象:資源の乏しい農村地域に住むリスクの高い先住民族や難民の少女と若い女性が、当団体のO-labプラットフォームを通じて、21世紀のスキルと基本的な英語、STEAMコース、多様性、包括性、ジェンダー教育コース、職業/社会起業家のキャリア パスを含む補完的なデジタル教育の機会を得られるよう支援する。当団体は状況に応じた指導を行い、カスタマイズ可能なプラットフォームと現地トレーナーによるガイダンスを通じて、コミュニティの問題に取り組む持続可能なプロジェクトを進めるためのツールとリソースを少女たちに提供します。
米国
ミッション:メディアやテクノロジ分野における有害な固定観念(性別だけでなく文化にも根付いた固定観念)に立ち向かうために、完全なバイリンガル プログラムを提供することで、有色人種の少女や若い女性がSTEM分野でキャリアを積むことができるよう支援する。
助成金の対象:9~14歳の少女を対象とした放課後のClub Latinitasプログラムを実施する場所と回数を25%増やし、テキサス州中央部の恵まれない地域の小中学校に通うより多くの有色人種の少女たちにプログラムを提供することを目標に、2人のパートタイム プログラム リーダーを雇用する。
ルワンダ
ミッション:STEM分野で活躍し、職業に就くことを目指す少女を増やし、STEMのさまざまな分野で有能かつ高いスキルを持った女性を育成して教育し、女性の起業家精神と研究心を育む。
助成金の対象:当団体が支援する少女と女性の数を年間5,000人から8,000人に増やし、STEM分野で成功してアイデンティティを確立するために必要なスキルと自信を育む。支援プログラムを早期教育へと拡大するとともに、保護者と女性教師の数を年間10%増やす。
米国
ミッション:機会をもたらし、帰属意識と粘り強さを育むトレーニングとカリキュラムを通じて、校外のSTEM教育者や専門家の公平性を高め、擁護者に変えることで、社会から取り残されたコミュニティのBIPOCの少女たちがSTEMを体験する手段を再構築する。
助成金の対象:STEM教育者が公平なトレーニングとカリキュラムを活用して、STEM分野でのキャリアを目指す少女たちの触媒として役割を果たすことができるよう、当団体の既存のプログラムを拡大する。
グローバル
ミッション:少女たちがコミュニティの問題を特定し、テクノロジおよびAIソリューションを開発できるよう支援することで、リーダーシップと創造的な問題解決スキルを養う。
助成金の対象:世界中の少女たちがテクノロジと起業家精神への関心を高め、コーディングとAIの技術的スキルを身に付け、リーダーや問題解決者になることができると信じることができるよう支援する。また、少女たちは、問題解決と分析的思考、人前で話すことや説得する力、粘り強さ、立ち直る力、チームワーク、リーダーシップなど、将来の仕事での成長に関わる分野のスキルを身に付けることができます。
南アフリカ
ミッション:採用から維持までエンジニアリング バリュー チェーン全体に沿った教育とテクノロジを通じて、さらに多様性に富んだエンジニアリング人材を育成する。
助成金の対象:当団体のGirlEng Technovation Campを通じて、少女たちがエンジニアリングの世界に触れることができるよう支援する。このキャンプでは、貧しい環境の少女たちがSTEM分野の仕事に触れることができます。このプログラムに参加した少女たちは、コーディングとロボット工学のワークショップを受講し、持続可能なエンジニアリングについて学び、コミュニティの問題解決者となっていきます。
ナイジェリア
ミッション:トレーニング、指導、研究を通じて情報通信技術に積極的に関わることで、ナイジェリアの女性を教育し、結び付け、社会的地位を向上する。
助成金の対象:当団体のW.TEC Academyをさらにナイジェリアのラゴス州とオンド州の10校に導入することで、少女たちのSTEM分野の能力を育成する。W.TEC Academyは、少女たちがエンジニアリング、テクノロジ、コンピュータ サイエンス分野の仕事に進むよう支援する放課後のテクノロジ クラブです。